学会案内
日本手術看護学会としての「周術期看護」ことばの定義
Ⅰ. 「周術期看護」ことばの定義の設定から公表までの経緯
 1978年のAORN第25回年次大会において、AORNは周術期看護の概念を、「周術期看護師は、外科的治療を受ける患者が経験する、周術期(術前、術中、術後)を通して、看護過程に基づく看護を提供する役割と責任を負う」ことと提唱し、採択され、手術看護と定義づけた1)
 日本手術看護学会(以下本学会)は、このAORNの提唱を受け、手術看護を術前から術後までの一貫した看護の流れの中心において、手術室看護師の役割を発展させてきた。2017年に本学会が発行した『手術看護業務基準』の「周術期継続看護基準」用語解説の中で、「周術期は、術中だけではなく前後の期間を含めた一連の期間である。一般には、入院から手術を受け退院するまでの期間をいい、手術に必要な3つの段階、術前・術中・術後が含まれる」2)としている。
 AORN1)は周術期(perioperaitive phase)を、手術の適応が決定したときから、手術が終了して退院し、外来通院にいたる一連の期間を指し、手術前期(preoperative phase)、手術期(intraoerative phase)、手術後期(postoperative phase)の3期を合わせて周術期と呼んでいる。
 そこで、本学会は、周術期看護を、患者の手術が決定されたときから、手術室に入室され、手術を終えて、手術室を退室し、手術侵襲から回復するまでのプロセスに関わる看護を概念化(概念図)し、手術室看護師は 周術期(術前、術中、術後)にある患者に対して、手術中を中心として、安全・安心な看護を提供することを基本におき、「周術期看護」ことばの定義を設定した。そして、2020年11月7日の2020年度総会に諮り、承認をえたので、公表することに至った。
 
Ⅱ. 「周術期看護」ことばの定義

 患者、家族が手術を決定したときから、手術室へ入室し、手術の準備から術中、手術を終えて、手術室を退室し、手術侵襲から回復するまでのプロセスに関わる看護とする。
 手術室看護師は 周術期にある患者に対して、術中を中心として、安全・安心な看護を提供する。

術前は、手術の意思決定から手術室入室までの手術を準備する期間をいう。患者の意思決定支援、術前患者アセスメント、術中の個別的看護計画を立案する期間である。
術中は、手術室入室から手術開始・手術終了に至り、手術室を退室するまでの期間をいう。術前の看護計画に基づいたケア、および、手術進行にあわせて立案・修正したケアの評価とともに、手術直後の患者アセスメント・評価を行い、帰室先看護師へ申し送るまでの期間である。
術後は、手術室を退室後、手術侵襲から回復するまでの期間をいう。手術侵襲の回復を促進するための看護を病棟・外来看護師と連携して行い、合併症などの経過観察を含めて継続看護を実施する期間である。

 
Ⅲ. 「周術期看護」概念図
 
<引用文献>
  1) Association of Operative Room Nurses;Roth.R.A.edt.,Perioperative Nursing Core Curriculum. Saunders. pp.19-32, 1995.
  2) 日本手術看護学会手術看護基準・手順委員会:手術看護業務基準.第8章周術期継続看護基準 用語解説.p75.日本手術看護学会.2017.
<参考文献>
  1) 石橋まゆみ,菊地京子,久保田由美子,他:手術看護の歴史-専門性を求めつづけた歩み-. p45. 東京医学社.2016.


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