理事長通信

秋号

理事長  ミルズしげ子


 暑さの厳しかった夏がようやく終わり、秋の気配を感じる今日この頃となりました。
 今年度も半分を過ぎようとしています。新型コロナウイルス感染症が5類相当になり、社会の動きも以前の状況に戻ってきたように思います。しかし、医療現場に与える影響は継続しており、インフルエンザとの同時発生も懸念されています。手術室のみならず、臨床の現場で働く皆様が、健康でご活躍されることを願っております。

 2023年度も『学会の取り組み重点項目』を立案し、各委員会を中心に取り組んでいます。8月には、診療報酬ワーキングによる第27回日本看護管理学会学術集会での発表やインフォメーションエクスチェンジを開催しました。9月には、JONA災害情報システムの運用訓練を行いました。各地区の学会も5月から開催されています。

 今年度の理事会は、ハイブリッド形式で開催し、理事や各委員会委員長など指名された理事は可能な限り本部事務局に集まり、会議を行っています。やはり、画面越しではなく直接の対話が、人と人のつながりを感じさせてくれます。このことは、周術期看護の場面でも言えることでしょう。手術を受ける患者さんにとって、手術室の景色は、まるでテレビなどで見る映像の一部のようかもしれません。そして、そこで起こることは、非日常の世界です。そのような状況のなかで、患者さんの気持ちに寄り添う看護師の存在は、どれほど勇気づけられることでしょうか。

 今年度も「手術看護の日」の一環として、看護職や一般の方からエッセイを募集しました。私自身も審査の段階で、すべてのエッセイを読ませていただき、多くの感動と勇気が湧いてきました。そして手術室看護師の皆さんの日頃の実践が、患者さんに与える影響の大きさを実感しました。多数のご応募をいただきありがとうございます。詳細については、ホームページをご覧ください。

 第37回日本手術看護学会年次大会も近づいています。2023年10月27日(金)、28日(土)の両日、福岡国際会議場を中心に行う現地開催とその後のオンデマンド配信のハイブリッド方式で実施いたします。テーマは、「進化し続ける周術期看護 -多様な価値観への対応-」です。手術医療技術が進歩するなかで、周術期看護に従事する看護師には、専門的な知識と技術が求められていますが、手術室看護師の価値は、患者さんと家族に寄り添うことにあると思います。参加される皆様と周術期看護について、語り合えることを楽しみにしています。

 最後に、今後も皆様のご意見を学会活動に反映するために、役員一同真摯に取り組んでまいります。皆様のご活躍とご健康をお祈りいたします。

2023年10月